現在日本で発売されている中型SUVはいくつもありますが、その中から自分の好みにあった1台を選ぶのもなかなか難しいものです。
そこで、ここでは中型SUVを様々な角度から比較してみたいと思います。
是非SUVの購入を検討されている方は、参考にしてみて下さい。
比較対象車種
メーカー | 車種 | 発売年 |
トヨタ | RAV4 | 2019年 |
ホンダ | CR-V | 2018年 |
日産 | X-trail | 2013年 |
スバル | Forester | 2018年 |
マツダ | CX-5 | 2017年 |
三菱 | アウトランダー | 2012年 |
トヨタ | ハリアー | 2013年 |
フォルクスワーゲン | Tiguan | 2017年 |
プジョー | 3008 | 2017年 |
ジープ | Cherokee | 2013年 |
シトロエン | C5エアクロスSUV | 2019年 |
今回比較対象とした車はこちらです。
中には、ハイブリッド仕様がある車もありますが、ここでは、ハイブリッド車は除いています。
また、エンジンはガソリン、ディーゼル、ターボ、ノンターボを全て横並びで比較しています。
車両サイズ
こちらのグラフは、縦軸に全長、横軸に全幅を示しています。
中型の車だけあって、全ての車が全幅1800mm越えとなっています。
ここで注目したいのが、RAV4とCR-V。
全幅が1855mmで全く同じです。
全長がCR-Vの方が5mmだけ長いですが、ライバル関係の車でここまで車両サイズが近いのも珍しいですね。
お互いを意識しあいながら開発された結果なのでしょうか。
また、面白いのが、全長と全幅のバランスの傾向が日本メーカーの車と欧州メーカーの車ではっきりと分かれていることです。
エクストレイルやフォレスター、アウトランダーなど、従来の日本メーカーの車は、比較的全長が長く、全幅は狭いように見えますが、一方で、ティグアンや3008、C5エアクロスSUVなどの欧州メーカーの車は、全長はあまり長くなく、全幅が広い傾向にあります。
日本では細くて長い車が好まれ、欧州では幅広で短い車が好まれるということなのでしょうか。
とはいえ、日本メーカーの車でも比較的最近フルモデルチェンジをしたRAV4とCR-Vは、全幅が1850mmを越えているので、今後は日本メーカーの車も全幅を広げてくるのかもしれません。
購入する車を検討される際は、駐車場の広さや運転しやすさの観点から、この車両サイズの差を考慮した上で選んだ方がいいですね。
最小回転半径
続いて、車の取り回しの良さを示す指標の1つである最小回転半径を比較してみましょう。
こちらのグラフは、カタログに示してある最小回転半径を示しています。
ハンドルを最も切って走行した時に、外側のタイヤが描く円の半径の長さを表しているので、この数字が小さい方が小回りが効く車ということになります。
やはり、チェロキーやRAV4など、全幅が広い車ほどが最小回転半径は大きい傾向にありますね。
ただ、RAV4は、グレードによっては最小回転半径が5.5mの仕様もあるようです。
そうなると、CR-Vと同じになります。
最も最小回転半径が小さいのは、日産エクストレイルと三菱アウトランダーで5.3mでした。
中型のSUVに乗りたいけど、小回りが効く車がいいという方は、この辺りを選ぶといいのではないでしょうか。
最低地上高
SUVとして気になるのが、やはりオフロード走破性だと思いますが、オフロード走破性を決める要素の1つが車高の高さだと思います。
カタログには、最低地上高としてそのスペックが記されています。
比較して見てみましょう。
最低地上高が最も高い車は、スバル フォレスターでした。
なんともイメージ通りですね。
四駆性能に定評があるスバルが造るSUVだけに、SUVとしての必須要素である地上高はしっかりと確保してきています。
一方で、3008や、Tiguan、チェロキーなどは最低地上高が180mm以下となっています。
ジープのチェロキーがこの値というのは少し驚きですね。
ジープのイメージからして、地上高はもう少しとれているのかと思っていました。
ラゲッジ
続いて、ラゲッジ、荷室です。
SUVとしてその広さや使い勝手の良さを重要視される方も多いのではないでしょうか。
こちらには、今回比較している11車種全てのラゲッジを示しました。
どの車もSUVというだけあって、広くて多くの荷物を積み込めそうですね。
この中では、トヨタRAV4とホンダCR-Vはラゲッジボードの高さを2段階に変更することができます。
また、日産エクストレイルはラゲッジボードが2枚構成になっていて、それらを立てたりすることで、荷室の中のスペースを分断して、荷物を積み込むことができます。
続いて、こちらには、ラゲッジ容量を丸の大きさで示し、横軸には、荷室幅、縦軸には荷室高さを示しました。
中型SUVというだけあって、ほとんどの車が荷室容量が500Lを超えています。
その中で、RAV4やフォレスター、エクストレイルあたりが、荷室の幅も高さも広くて使い勝手が良さそうです。
一方、CX-5とハリアーの荷室容量の小ささが気になります。
ただ、この2台は、デザイン性を重要視している車なので、その分荷室が狭いのは我慢しなければならないということなのかもしれません。
エンジンスペック
次に、エンジンのスペックを比較して見てみましょう。
こちらのグラフは、横軸にエンジン最高出力、縦軸にエンジン最大トルクを示しました。
ディーゼルエンジンの設定がある3008やC5エアクロスSUV、CX-5、ターボエンジンの設定があるチェロキー、ハリアーなどは、非常に魅力的なトルクと出力ですね。
NAエンジン仕様の車は、どの車もあまり大きな差はないようです。
ただ、その中では、CX-5の2.5L NAエンジンが最高出力、最大トルクどちらも最も高いようです。
また、ハリアーの2.0L NAエンジンのスペックが低いのは、少し意外でした。
燃費
続いて燃費です。
こちらは、カタログ上に記載されている燃費を示しています。
ただ、カタログ上の燃費のため、実燃費とは乖離がある可能性があることは、ご承知下さい。
また、車種によっては、JC08モード、WLTCモードどちらかしか記載がない車もあります。
やはりディーゼルエンジンは燃費が良いですね。
ガソリンエンジン同士で比較すると、RAV4がWLTCモードの記載しかありませんでしたが、最も燃費が良いようです。
また、ガソリンエンジンの中で最高出力と最大トルクが最も高かったCX-5の2.5L NAエンジンは、排気量が大きい割に燃費もなかなか良いですね。
一方で、Tiguanのガソリンエンジンは、最高出力が見劣りするのに加えて燃費もそこまで良くないですね。
価格
最後に価格です。
こちらのグラフは、カタログに記載されている価格のレンジを示しています。
オプションやその他諸費用は含んでいません。
このクラスのSUVの中で最も価格が安いのは、日産エクストレイルでした。
全てのグレードでベース価格が300万円以下となっています。
価格は、エクストレイルの次にスバル フォレスター、三菱アウトランダー、トヨタRAV4と続きます。
少し驚いたのは、ホンダCR-Vの価格です。
前型モデルまでは、エクストレイルなどとほぼ同じ価格帯だったのですが、2018年に発売された現行モデルは、エクストレイルに対して約100万円高い価格設定となっています。
価格帯としてはほとんどトヨタ ハリアーと並んでいますね。
また、海外メーカー勢は、やはり国内メーカーの車に対して100〜200万円ほど高い価格設定となっています。
ただ、これまでご紹介してきたように、単純にスペックだけの比較で見ると、これだけの価格差がある中で、あえて海外メーカーの車を買う理由も無い気がしてしまいます。
特にTiguanのガソリンエンジンは、パワーも燃費もあまり良くないにも関わらず価格が高いなという気がしてしまいますね。
まとめ
個人的には、エンジンパワー、燃費、価格あたりを見比べると、エクストレイル、CX-5 2.0L NAエンジン仕様、フォレスター、RAV4あたりがスペックに対して価格もお手頃で良いのではないかなと感じます。
是非これらの情報も踏まえた上で、お気に入りの1台を探してみて下さい。