SUV人気が加速している昨今、そんな市場のニーズに合わせてマツダはカーラインナップを拡大してきました。
現在、マツダは日本で11車種を展開していますが、そのうちの約半数の4台がSUVとなっています。
CX-8は3列シート7人乗りの大型SUVですが、他のCX-3とCX-30、CX-5は一見するとどれも似たような中型SUVに見えてしまいます。
さらにマツダはデザインの傾向をどれも同じにしていることから、余計に見分けが付かないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、今日は、マツダの中型SUVであるCX-3とCX-30とCX-5にはどのような差があるのか、その違いを見ていきたいと思います。
車両サイズ
全長は、CX-3を基点とすると、CX-30が120mm、CX-5が270mm長くなっています。
また、全幅は、CX-30が30mm、CX-5が75mm広くなっています。
元々、CX-3とCX-5があった中で、2019年にCX-30が発売となりましたが、こうして全長と全幅を比較して見ると、CX-30はCX-3とCX-5のほぼ中間のサイズとなっているんですね。
ただ、全高を比較してみると、CX-5はCX3に比べて140mmも高いものの、CX-30はCX-3よりも逆に10mm低くなっています。
CX-30は、元々マツダ3をベースにしているということが理由だと思いますが、この全高の低さがCX-30の特徴と言えそうです。
室内寸法
次に室内の広さを比較してみましょう。
室内長さは、CX-3を基点とすると、CX-30が20mm、CX-5が80mm長くなっています。
全長の差と比べると、わずかな違いですね。
特に、CX-30は、CX-3と比べてたったの2センチしか長くありません。
また、室内の高さも、CX-3とCX-30は全く同じでした。
これもCX30がマツダ3をベースにしているので、しょうがないことなのでしょうか。
一方で、CX-5は55mm高くなっているので、CX-5の頭の上の空間はかなり広く感じられそうですね。
室内幅は、CX-3を基点とすると、CX-30が55mm、CX-5が105mm広くなっています。
幅がこれだけ違うと、かなり広くなったように感じそうです。
次に、実際にシートに座った時の”膝前スペース”を比較してみましょう。
上の表の”膝前スペース”というのが、後席に座った時に前席シートと膝の間にどれくらいスペースがあるかという寸法を示しています。
前席の膝前スペースは、どの車もほとんど違いがありません。
マツダは”人馬一体”をコンセプトに、理想のドライビングポジションを追求して、それを全車に適用しているので、おそらく車のサイズに関わらず前席のドライバースペースは、同じにしているのではないでしょうか。
一方で、後席の膝前スペースは、CX-3を基点とすると、CX-30が33mm、CX-5が117mm長くなっています。
CX-3に乗ったことがある人は分かると思うのですが、CX-3の室内はかなり窮屈です。
特に後席は、身長の高い人が運転席の後ろに座ると、膝が運転席のシートバックに当たってしまいます。
CX-30は、そんなCX-3に対して後席の膝前スペースが33mm広いのですが、やはりそれでも実際に後席に座ってみると、少し狭い印象を受けました。
ゆったりと後席に座れるSUVを求めるのであればCX-5を選ぶしかないのかもしれません。
エンジンスペック
エンジンスペックを比較してみましょう。
上のグラフは、横軸に最高出力、縦軸に最大トルクを示しています。
青色のプロットがCX-3で、緑色のプロットがCX-30、赤色のプロットがCX-5です。
2.0Lガソリンエンジンは、CX-3とCX-30、CX-5全てで共通のエンジンとなっています。(CX-3のスペックは若干異なります。)
また、1.8LディーゼルエンジンもCX-3とCX-30で共通ですね。
CX-3は、この2種類のエンジンバリエーションしか無いですが、CX-30はこの2種類に加えて、次世代ガソリンエンジンのSKYACTIV-Xが用意されています。
一方、CX-5は、ガソリンエンジンもディーゼルエンジンもそれぞれ1つスペックの高いエンジンが用意されています。
動力性能や走破性といった面でも、CX-30とCX-5の間に線が引けそうです。
なお、CX-3、CX-30、CX-5全てに2WD及び4WDの設定があり、トランスミッションもATとMTが選択できるようになっています。
ただし、CX-3はガソリン車4WDのMT設定は無く、CX-5はガソリン車でのMT設定はありません。
燃費
次に燃費の比較です。
上のグラフは、4WDのトランスミッションがATの時の燃費をエンジン毎に並べています。
燃費は、単純にガソリン車同士の比較、ディーゼルエンジン車同士での比較をすると、やはりボディサイズが大きくなるに従って、燃費が悪くなっています。
ただ、CX-30は、最近ガソリン車にSKYACTIV-Xが導入されたので、CX-30でこのエンジンを選んだ場合は、CX-3よりも燃費が良くなります。
価格
上のグラフは、CX-3、CX-30、CX-5それぞれの価格を示しています。
エンジンや2WD、4WDに関わらず、最低価格と最高価格をレンジで示したものになります。
こうして見てみると、意外とその価格差が小さいことがわかります。
CX-3の中間グレードを買おうとしたら、同じ価格でCX-30の中間グレードも、CX-5の下の方のグレードも買えてしまうんですね。
とはいえ、CX-3とCX-30の最低価格と最高価格を比較すると、それぞれCX-30の方が約50万円高いことになります。
ただ、CX-30とCX-5を比較すると、その差はだいたい20万円くらい。
CX-3はナビのサイズが7インチなのに対して、CX-30は8.8インチだったり、CX-3はセンターコンソールの後ろに後席用のエアコンの吹き出し口が無いのに対して、CX-30はそれがあるなど、仕様の差も大きいことから、これくらいの価格差は納得できます。
ただ、CX-30とCX-5でたったの20万円しか価格差が無いのであれば、エンジンスペックや室内の広さなどを考えると、CX-5を選んだ方がお得な気がしてしまいますね。
まとめ
今回は、マツダのSUVであるCX-3とCX-30、CX-5を比較してみました。
その車両サイズは、明確に差があり、CX-3を「小」とするなら、CX-30が「中」、CX-5が「大」といった感じでした。
ただ、CX-30は、その車両サイズほど室内空間が広くないという印象を受けました。
また、エンジンに関しては、CX-30とCX-5の間に明確な差があり、ガソリン車でSUVらしいパワーのある車を求めるのであれば、CX-5を選ぶ方がいいかもしれません。
CX-3にもCX-30にもディーゼルエンジンの仕様があるため、ディーゼルを選べばパワーは感じられると思いますが、その分、ディーゼルは価格も高く、例えばCX-30のディーゼル車とCX-5の2.5Lガソリン車が同じくらいの価格帯です。
そうなると、どちらを選ぶべきか悩みますよね。
ここまで比較してきた結果、それぞれの車を選ぶメリットをまとめてみると以下だと思います。
CX-3を選ぶメリットは、そのコンパクトなサイズと価格。
CX-30を選ぶメリットは、その燃費。
CX-5を選ぶメリットは、室内広さとエンジンパワー。
是非、マツダのSUVの購入を検討されている方は、参考にしてみて下さい。