今日は、欧州で生産・販売されている日産の新型ジュークについてご紹介します。
基本情報
日産ジューク(Nissan Juke)は、日産がイギリスのサンダーランド工場で生産し、欧州向けに販売しているコンパクトSUVです。
現在のモデルは2代目で、2019年に発売されました。
日産ジューク(Nissan Juke)は、元々、2009年のジュネーブモーターショーでコンセプトカー「カザーナ」として発表されたのが最初でした。
その後、このカザーナの量産モデルとして、初代ジュークが2010年に発売されました。
初代ジュークは、欧州だけでなく、日本や北米など世界中で発売されています。
なお、中国では、日産の高級車ブランド「インフィニティ」のモデルとして発売されました。
この初代ジュークは、そのユニークなデザインや、今までに無いコンパクトなSUVというユニーク性が評価され、一躍注目を浴びました。
当時は、コンパクトSUVというセグメントは存在していませんでした。
現在では、各メーカーから、多くのコンパクトSUVが発売され、人気のセグメントとなっていますが、ジュークは、そんなコンパクトSUVの先駆者的な車です。
また、NISMO仕様や、台数限定でGT-Rのエンジンを搭載したジュークRを発売するなど、SUVでありながらスポーツモデルを発売していることも特徴です。
ただ、日本では、最初は販売が好調だったものの、モデル末期になると次第に販売が低迷し、2019年に日本及び北米での販売が中止となりました。
これらの市場では、キックスがジュークの後継となり販売されています。
一方で、欧州では人気が高く、2代目は欧州専用車となっています。
2020年には、欧州で5万8402台を販売しました。
なお、この2代目ジュークは、ルノーのクリオやキャプチャーと同じ「CMF-B」と呼ばれるプラットフォームが採用されています。
このCMF-Bと呼ばれるプラットフォームは、日本よりも常用スピードレンジが高い欧州向けに開発された、ルノー日産の次世代上級小型車向けプラットフォームです。
車体剛性の向上や高剛性サスペンションなどにより、走行安全性と快適性、質の高い走りを狙って開発されたものだと言います。
初代ジュークのプラットフォームは、マーチ(K13型)や2代目ノート(E12)などにも採用されていたVプラットフォームでした。
このVプラットフォームは、小型のFF車で、どちらかと言うと安めの車が対象だっただけに、ジュークは2代目で、走りの性能が飛躍的に向上しているのではないかと予想されます。
なお、2代目ジュークは、ルノー主導の開発により、多くの部品がルノー キャプチャーと共通の部品となっています。
スペック
サイズ
日産ジューク(Nissan Juke)のサイズは、全長:4,210mm、全幅:1,800mm、全高:1,593mm、ホイールベース:2,636mmです。
初代ジュークのサイズが、全長:4,135mm、全幅:1,765mm、全高:1,565mm、ホイールベース:2,530mmなので、初代と比べると2代目は一回りボディサイズが大きくなったようです。
なお、日本市場でジュークに置き換えられたKICKS(キックス)のサイズは、全長:4,290mm、全幅:1,760mm、全高:1,615mm、ホイールベース:2615mmなので、全長はキックスよりも80mm短いですが、幅はキックスよりも40mmも広いことになります。
このサイズ感を見ると、新型ジュークは、日本市場でコンパクトSUVと呼ぶには、少し幅が広すぎるような気もしますね。
このことから、ジュークは、欧州好みの幅広の車に仕立て、日本には日本に合うサイズ感のキックスを当てはめ、市場最適化を図ったということなのではないでしょうか。
シャシー
日産ジューク(Nissan Juke)のサスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式で、リアがトーションビーム式です。
日産ジューク(Nissan Juke)タイヤサイズは、最廉価グレードの「Visia」が215/65 R16。
ミッドグレードの「Acenta」と「N-Connecta」が215/60 R17。
上位グレードの「Tekna」と「Tekna+」が225/45 R19となっています。
パワートレイン
日産ジューク(Nissan Juke)のパワートレインは、1.0Lの直列3気筒ターボエンジンです。
組み合わされるトランスミッションは、6速MTとDCT。
ハイブリッド仕様の設定はありません。
また、駆動方式は今のところ2WDのみです。
エンジン
日産ジューク(Nissan Juke)のエンジンは直列3気筒1.0L直噴ターボエンジンです。
最高出力は117psで、最大トルクは200Nm。
排気量のわりに、高トルクのエンジンですね。
なお、0-100km/h加速はMT仕様が10.4秒、DCT仕様が11.1秒です。
ボディカラー
日産ジュークのボディカラーは、ワントーン11色、ツートーン3色、合計14色の中から選ぶことができます。
かなりカラーバリエーションは豊富ですね。
なお、ワントーンの場合、どのボディーカラーを選んでも、Aピラーとサイドミラーはブラックとなるようです。
ツートーンもAピラーとサイドミラーはブラックなのですが、ルーフのカラーがボディカラーとは異なる色となります。
インテリアカラー
日産ジュークのインテリアカラーですが、通常グレードは、シートがブラックのファブリック仕様となりますが、上位グレードの「Tekna」と「Tekna+」はレザーシートとなります。
さらに、最上位グレードの「Tekna+」は、レザーシートのカラーもオレンジやグレーなどから選ぶことができるようになります。
特徴
エクステリアデザイン
日産の新型ジュークの特徴と言えば、なんといってもそのエクステリアデザインです。
初めて日本で初代ジュークが発売された時のその衝撃は今でも忘れません。
丸いランプの上に鋭いランプがあり、全体的にボテっとしたデザイン。
今までの車には無いユニークなデザインだっただけに、最初は、なかなか受け入れられなかったのですが、次第にそのデザインがかっこいいと思うようになりました。
こういうデザインの車は2代目が難しいのではないかと思っていたのですが、実際2代目は、そのジュークらしいデザインをしっかりと踏襲しながらも、新しいシャープさを加えたような、より洗練されたデザインになった気がします。
フロントフェイスは、日産車の最近の特徴であるVモーショングリルがより強調されたデザインとなりました。
上側のランプは、そのVモーショングリルと一体化したような形です。
メインランプは下側の丸いランプですが、ランプの光り方も初代ジュークとは違いますね。
インテリアデザイン
インテリアもずいぶんと初代と比べると進化したように見えます。
まず最初に目につくのが、そのナビディスプレイの位置です。
初代は、インストルメントパネルの中央に配置されていたのですが、新型は運転中の視線の動きを考慮したインストルメントパネルの上の位置となっています。
新型エクストレイルやノートとナビディスプレイの位置は同じですね。
また、新型ジュークは、エアコンのレジスター形状も丸型で統一されました。
メーターは、アナログのタコメーターと速度メーター。
そして、その中央には、デジタル液晶ディスプレイが設定されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今日は、欧州で2020年に発売された新型ジュークをご紹介しました。
サイズは初代ジュークよりも一回り大きくなったようですが、そのデザインは、しっかりと初代ジュークの特徴を踏襲していることがわかります。
個人的には、初代よりもさらにかっこよくなったような気がします。
ただ、残念ながら日産の戦略から、ジュークは欧州専用車となってしまい、このサイズの車は日本ではキックスが販売されるようになりました。
キックスもいい車だとは思いますが、新型ジュークが日本で販売されないのは少し残念ですね。