マツダ MX-30とはどんな車か?徹底分析してみた!

車分析
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世界の様々な車を紹介するコーナー。

今日は、マツダ MX-30を紹介します。

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基本情報

マツダ MX-30は、マツダが製造・販売するクロスオーバーSUVです。

現在のモデルがMX-30としては初代となります。

当初、完全電気自動車(EV)として開発されましたが、日本では、2.0Lガソリンエンジンを搭載したマイルドハイブリッド車として2020年10月8日に発売されました。
EVモデルも今後リースで投入される予定だそうです。

これまで内燃機関のエンジンにこだわってきたマツダが電動車開発に踏み切ったのは、マツダの販売の約20%を占める欧州市場における環境規制に対応するため。

実際、欧州ではEVモデルの一般先行予約を開始しています。

なお、MX-30が世界で初公開されたのは、2019年10月に開催された東京モーターショーでした。

当時の現場レポートも併せてご覧下さい。

当時は、マツダ初の一般販売される電気自動車(EV)というだけでなく、RX-8を彷彿とさせる観音開きのリアドアなど、そのユニークなデザインで注目を集めました。

EVとして初公開されたMX-30

スペック

パワートレイン

MX-30のパワートレインは、2.0L直列4気筒DOHCエンジン(SKYACTIVE-G)と24Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた「e-SKYACTIV G」。

2WDと4WDが選べ、トランスミッションは6EC-ATです。

エンジン

エンジンは、2.0L直列4気筒DOHCエンジンです。
エンジン型式はPE-VPH型。

最大トルクは199Nm、最高出力は115kW。

これは、マツダ3CX-30に搭載されているエンジンと同じです。

モーター

モーターは交流同期電動機で、型式はMJ型。

日立オートモーティブ社製で、MX-30のために独自開発されたものとのこと。

最大トルクは49Nm、最高出力は5.1kWです。

バッテリー

バッテリーは24Vのリチウムイオン電池9個を搭載しており、その容量は10Ahです。

車両サイズ

MX-30の車両サイズは、全長:4,395mm、全幅:1,795mm、全高:1,550mm、ホイールベース:2,655mmです。

ちなみに、マツダCX-30の車両サイズは、全長:4,395mm、全幅:1,795mm、全高:1,540mm、ホイールベース:2655mmなので、全高がCX-30の方が10mm低いだけで、あとは全て同じです。

車両重量は、1,460〜1,520kg。

最低地上高は、180mmです。

ボディカラー

ワントーンとスリートーン合わせて全部で7色の中から選べます。
また、マツダ100周年特別記念車には、セラミックメタリック/マローンルージュメタリックという特別色も設定されています。

100周年記念カラー

サスペンション

MX-30のサスペンション形式は、フロントがマクファーソンストラット式で、リアがトーションビーム式。

最初回転半径は5.3m。

タイヤサイズは、215/55R18です。

燃費

MX-30の燃費は、2WDがWLTCモードで15.6km/L、JC08モードで16.9km/L。
4WDがWLTCモードで15.1km/L、JC08モードで16.1km/Lです。

ホンダ ヴェゼルの場合、ハイブリッドの燃費はJC08モードで27.0km/L、ガソリン車は21.2km/Lなので、ヴェゼルと比べるとかなり物足りなく感じてしまいますね。

また、ほぼ同じサイズのCX-30 SKYACTIVE Gの燃費が、WLTCモードで2WDは15.4km/L、4WDが14.8km/Lなので、CX-30からもこの程度の改善しかないというのは、残念ですね。

燃費だけ見ると、なんのためのハイブリッドなのかわからなくなってしまいます。

価格

MX-30の価格は、標準モデルの2WDが2,420,000円からで、4WDが2,656,500円から。

マツダCX-30の価格は、ガソリン車の場合、2,392,500円〜3,713,600円なので、価格もCX-30とほぼ同じです。

一方で、ヴェゼル(VEZEL)の価格は、2,075,000円〜2,903,040円なので、ヴェゼルと比べるとやや高く感じてしまいますね。

特徴

MX-30の特徴をいくつか順番に見ていきましょう。

室内空間

マツダ車の特徴といえば、その質感とデザイン性の高いインテリアだと思いますが、MX-30のインテリアには、これまでのマツダ車をさらに進化させたような新しいデザインや機能が織り込まれています。
そのデザインテーマは、「フローティング」。
日本語では「浮く」という意味を持つこの言葉通り、コンソールはまるで浮いているかのようなデザインとなっています。

ドアを開けた状態で横から車内を見ると、その吹き抜け感は非常に開放的で、無駄なものを排除したようなシンプルで居心地の室内空間となります。

さらに後席の空間は、着座した姿勢から自然に外が見える位置にクォーターウインドウを配置しています。
クォーターウインドウの下は、ソファーのようにラウンドさせたデザインとなっていて、包み込まれるような安心感を持たせつつ開放感もある、これまでの車には無い後席空間となっています。

観音開きのドア

そんな「フローティング」デザインを実現させるのに一役買っているのが、観音開きのドアです。
マツダでは、「フリースタイルドア」と呼んでいるようですが、いわゆるセンターオープン式のドアです。

このセンターオープン式のドアというと、思い出すのは、同じマツダのスポーツカーRX-8ではないでしょうか。
RX-8は、2003年から2012年まで製造・販売されていた、マツダのロータリーエンジンを搭載したスポーツカーです。

RX-8

このRX-8にもセンターオープン式のドアが採用されていましたが、RX-8が販売されていた当時と比べると、現在は守るべき衝突安全性能基準もより高くなりました。

一方で、センターオープン式のドアを採用しようとすると、センターピラーを廃止しなければならないため、側面衝突に対する車体強度が不足してしまいます。
そこで、このMX-30では、リアドア内部に強固な補強部材を配置することで、側面衝突に対しても効率的にエネルギーを吸収・分散し、キャビンの変形を最小限に抑えることに成功したのです。

また、このリアドアは、上下のラッチ&ストライカーでロックされる機構。
フロントドアを開けないと、リアドアを開けることができない機構となっていますが、フロントドアの最小開度(1ノッチ/27度)で後ろのドアが開けられるようになっています。

上側のラッチ&ストライカー

下側のラッチ&ストライカー

また、RX-8とは異なり、フロントシートのポジションを変えることなく後席に乗り降りできる開口が確保されているのも特徴です。

コルク材を使った内装

マツダ MX-30のコンソールトレイとドアグリップには、自動車の内装には珍しい「コルク」が使用されています。
実は、マツダの起源がコルクを生産する東洋コルク工業であったことはあまり多くの人が知らないのではないでしょうか。
そんなマツダの原点からインスパイアされた形で、今回コルク材を使った内装が採用されたといいます。

マツダの前身の東洋コルク工業株式会社

とはいえ、コルクをそのまま使うと、車の内装部品としては、その耐久性などを考えると適しません。
そこで、樹脂部品をベースとした4層構造にすることで、耐久性を保ちつつ、コルクの風合いを残した独特な内装を仕上げています。

サステイナブル素材

マツダ MX-30は、コルクの他にも、3つの特徴的な素材を内装に採用しています。
その特徴的な素材とは、サステイナブルな素材であるということ。

その1つが「呼吸感素材」。
この呼吸感素材とは、ペットボトルのリサイクル原料を繊維の立ち方や密度、色などを専用設計したもの。
まるでこの素材自体が空気を含んだかのような風合いを持つことから「呼吸感素材」と呼ばれているそうです。

この素材は、ドアトリムアッパー部に採用されています。

2つ目が、「リサイクルファブリック」です。
このリサイクルファブリックは、リサイクル糸を20%使用した布で、シートに採用されています。
見た目は、決してリサイクル糸を使っているとは思えない味わい深い風合いを出しています。

最後に、「プレミアムヴィンテージレザレット」です。
プレミアムヴィンテージレザレットは、いわゆる人工皮革です。
ただ、この人工皮革は生産プロセスの中で有機溶剤を使用せず、環境負荷の低減に貢献しているといいます。

さらに、このプレミアムヴィンテージレザレットは、人工皮革をベースにレザー柄をプリントし、その上にシリコンコートを施すことで、奥行き感のある表情と心地よい手触りを実現しています。
このプレミアムヴィンテージレザレットは、シートに採用されていますが、近くから見ても、本物のレザーのように見えます。

これらのように、環境に優しい素材をしっかりと車に適したものへと設計し、それを内装に多く活用していることがMX-30の特徴です。

センターロアディスプレイ

また、インテリアには、もう一つ面白い特徴があります。
それは、センターパネルにロアディスプレイが設定されていること。

当然メインのセンターディスプレイもありますが、このロアディスプレイは、シートヒーターやステアリングヒーター、エアコンの操作専用のタッチパッド式ディスプレイとなっているのです。

メインディスプレイとこのロアディスプレイは、アングルが揃えられているため、運転中でもスムーズに視線を動かすことができるそうです。
さらに、エアコンなどの操作は感覚的に操作がし易いように工夫されているようです。

マイルドハイブリッドシステム

MX-30は、2.0L直列4気筒のガソリンエンジン(SKYACTIV-G 2.0)を搭載しているという点においては、マツダ3CX-30と同じですが、MX-30は、このエンジンにマイルドハイブリッドシステムのM-HYBRIDを組み合わせているところが特徴です。

マツダはこのシステムをe-SKYACTIVと名づけ、MX-30に初めて採用してきました。
このM-HYBRIDはベルト式インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(ISG)と24Vリチウムイオンバッテリー、それを車載システムに使う12Vの電圧変換を行なうDC-DCコンバーター、それに、油圧ブレーキと回生ブレーキの協調制御を行なう回生協調ブレーキシステムで構成されます。

なお、それぞれの部品配置は、インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(ISG)は、エンジンの通常オルタネーターが配置されている部分に置き換わりで配置されており、リチウムイオンバッテリーは、前席の下。
DC-DCコンバーターはエンジンルームの左側で、回生協調ブレーキシステムは通常のブレーキブースターと置き換わりで配置されています。

では、このマイルドハイブリッドシステムは実際の走行にどのような影響を与えるのでしょうか。
自動車ライターの世良耕太氏は、「Motor Fan」の中で、このマイルドハイブリッドシステムについて以下のように語っています。
「M-HYBRIDがもたらす燃費の取り分は実際の使用シーンではなかなか実感しづらいが、アイドルストップ後の再始動は信号などで停止するたびに体感できるし、そのたびに感激する。
極めてスムーズだからだ。
M-HYBRIDの再始動は、一般的なアイドルストップ機構のようにクランキング音はせず、瞬時に、振動を感じさせず完了する。
注意を払わなければ、再始動したことさえ気づかないほどだ。」

ただ、上でご紹介したように、燃費は他のハイブリッド車に対して劣るので、やはり通常のハイブリッドシステムと比べると燃費への影響は小さそうです。

まとめ

本日は、マツダのマイルドハイブリッド クロスオーバーSUV「MX-30」をご紹介しました。
マツダ独自のマイルドハイブリッドシステムや、観音開きのドアなど、これまでのマツダ車には無いユニークな特徴が多い車でした。

車両サイズは、CX-30とほぼ同じで、燃費もそこまで良いわけではないので、車をただの移動手段として捉えられている人にとっては、これといってこの車を選ぶ理由が見つからないと思いますが、他にない車を求めている方にとっては、十分この価格の価値があるのではないでしょうか。

是非気になる方はチェックしてみて下さい。

MX-30ホームページ

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