世界の様々な車を紹介するコーナー。
今日は、日産のSENTRA(セントラ)/SYLPHY(シルフィ)を紹介します。
基本情報
SENTRA(セントラ)/SYLPHY(シルフィ)は、日産がタイとメキシコで生産し、主に中国やアメリカで販売されているセダンです。
現行モデルは、セントラとしては8代目で、2019年に発売されました。
アメリカでは、2019年11月にロサンゼルスオートショーで初公開されたのが最初でした。
一方、中国では、「シルフィ」の名前で同モデルが販売されており、2019年4月の上海モーターショーで初公開された後、2019年7月に発売されました。
日本でも、前型モデルに位置する「シルフィ」が2012年から長くモデルチェンジせずに販売されていますが、今のところ日本で現在アメリカや中国で販売されている新型が発売されるという話はありません。
セダン人気の低下から、このままモデル廃止となってしまうのでしょうか。
歴代モデル
ここでは、北米仕様のセントラの歴代モデルをご紹介します。
初代セントラ
初代SENTRA(セントラ)は、当時日本で販売されていたB11型サニーの北米版として1982年に発売されました。
この車は、世界で日産ブランドとして発売された最初の車です。
エンジンは、直列4気筒1.5Lエンジンと直列4気筒1.6Lエンジン、1.7Lディーゼルの設定があり、トランスミッションは、3速AT、4速MT、5速MTが組み合わされていました。
2代目セントラ
2代目は、1986年に発売されました。
北米仕様の2代目セントラには、国内で販売されていた同B12型サニーには存在しない2ドアクーペが設定され、4ドアセダン、2ドアクーペ、3ドアクーペ、ステーションワゴン、3ドアハッチバックとバラエティ豊かなボディタイプの展開となりました。
3代目セントラ
3代目は、1991年に発売されました。
2代目同様、北米仕様には2ドアクーペが設定されたのに加えて、2.0L直列4気筒エンジンを搭載したスポーツグレード「セントラSE-R」がラインナップに初めて追加されました。
4代目セントラ
4代目は、1995年に発売されました。
サニーの2ドアクーペ版であった「ルキノクーペ」が北米向けに投入されたため、セントラは4ドアセダンのみのラインナップとなりました。
搭載エンジンは、1.6L直列4気筒エンジンと、2.0L直列4気筒エンジンの2種類。
トランスミッションは、4速ATと5速MTが組み合わせられました。
5代目セントラ
5代目は、2000年に発売されました。
4代目までは、デザインも含めて多くの部分が国内仕様のサニーと同じものでしたが、この5代目からは、サニーと同じプラットフォームを使っているものの、そのデザインは独自のものになりました。
ボディタイプは4代目と同様に4ドアセダンのみ。
エンジンは、1.8L直列4気筒エンジンと、2.0L直列4気筒エンジンに加えて、2.5L直列4気筒エンジンが新たに追加されました。
6代目セントラ
6代目は、2006年に発売されました。
従来のセントラのセグメントに新たにヴァーサが投入されたことから、この6代目セントラからはこれまでよりも1つ上のクラスの中型セダンセグメントへと車格が大きくなりました。
また、このモデルは、国内のブルーバードシルフィや中国のシルフィとも違う北米専用車となっています。
なお、搭載するエンジンは、2.0L直列4気筒エンジンです。
7代目セントラ
7代目は、2012年に発売されました。
このモデルから、世界統一モデルとなり、国内ではブルーバードシルフィ、中国ではシルフィ、オーストラリアではパルサーセダン、台湾ではスーパーセントラとして展開されました。
搭載するエンジンは、これまでの2.0Lから1.8Lへと排気量が落とされています。
スペック
パワートレイン
日産SENTRA(セントラ)/SYLPHY(シルフィ)のパワートレインは、2.0LガソリンエンジンにCVTの組み合わせ。
駆動方式は前輪駆動のFWDのみとなっています。
2.0Lガソリンエンジン
エンジンは、2.0L直列4気筒DOHC直噴エンジンです。
最大トルクは202Nm、最高出力は111kW。
前型モデルの1.8Lエンジンに対して、トルクは16%、出力は20%向上しました。
車両サイズ
日産SENTRA(セントラ)/SYLPHY(シルフィ)の車両サイズは、全長:4,641mm、全幅:1,816mm、全高:1,445mm、ホイールベース:2,713mmです。
前型モデルから、全幅は約50mm広がり、全高は約50mm下がりました。
かなりローアンドワイドな印象を持つスタイリングとなっています。
車両重量は、1,382kgです。
シャシー
日産SENTRA(セントラ)/SYLPHY(シルフィ)のサスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式。
リアは、マルチリンク式です。
タイヤサイズは、グレードのよって異なりますが、205/60R16、215/50R17、215/45R18の設定があります。
ボディカラー
ボディカラーは、ルーフをブラックアウトさせたツートーン仕様も選べます。
このツートーンを含めて、全部で11色展開となっています。
燃費
日産SENTRA(セントラ)/SYLPHY(シルフィ)の燃費は、アメリカのEPA(環境保護庁)が定める計測方法で、29MPG(マイル・パー・ガロン)なので、日本の単位に直すと12.3km/Lということになります。
日本でも販売されているホンダのシビックが25MPGなので、シビックよりも燃費が良いようです。
価格
日産SENTRA(セントラ)/SYLPHY(シルフィ)の価格は、1万9,090ドルからとのことなので、日本円に直すと約203万円からということになります。
日本でのマツダ3の価格が、ガソリン車の場合、2,181,000円〜2,719,200円なので、もしセントラが日本で発売されていたら、マツダ3よりも価格は安くなりそうですね。
特徴
日産SENTRA(セントラ)/SYLPHY(シルフィ)の特徴を順番に見ていきましょう。
ローアンドワイドなスタイリング
上でもご紹介したように、セントラの現行モデルは、前型モデル(日本のシルフィと同モデル、フロントフェイズ違い)と比べて、そのスタイリングを大きく変更してきました。
前型モデルは、少しコンサバなセダンだったのですが、現行モデルは全幅を約50mm広げ、全高を約50mm下げたことで、よりスポーティなローアンドワイドなスタイリングとなっています。
その差は、並べて比較してみると一目瞭然です。
前から見てみると、地上高を大きく落とし、さらにピラーを寝かせて、バンパー部分はワイドに、キャビンはコンパクトに見せることで、ローアンドワイドを強調しています。
また、ヘッドランプは薄くなり、よりシャープな印象となりました。
リア周りもフロント周りと同様に、テールランプの形状が薄く横長になることでシャープな印象となっていますね。
横から見ると、その差はさらに顕著に見えます。
ボンネットフードは低く、Aピラーを後方に引くことで、ロングノーズの印象を与えています。
さらに、サイドウインドウのラインを下に下げることなく、真っ直ぐ後方に引いていることで、キャビンが薄く見え、よりスポーティなスタイリングを実現しています。
正直、個人的に前型モデルは、まさに”セダン”といったスタイリングでちょっとおじさんっぽい印象を持っていたのですが、この現行セントラは完全にその印象を払拭して、かなりかっこいいスポーティセダンになったと思います。
マツダに劣らない高級感のあるインテリア
デザインで特徴的なのはエクステリアだけではありません。
インテリアもこのクラスのセダンの中では、マツダ3と並ぶ質の高いデザインとなっています。
インストルメントパネルやステアリング部など、各所に細かくステッチが張り巡らされ、上位グレードではさらにレザーシート仕様を選ぶこともできます。
また、上位グレードの特別オプションとしてタンレザー仕様も選択できます。
日本円で約25万円と少し高いオプションとなってはいますが、インストルメントパネルやドアパネルにブラウンのタンレザーが施され、シートにはダイヤモンドカット柄のデザイン。
さらに、メーター周りやコンソール部分がカーボン柄デザインとなり、このクラスの車とは思えないほど高級感のあるインテリアを実現することができます。
セントラのエクステリアデザインが気に入ったという方は、インテリアも思いきってタンレザー仕様にして、とことんかっこいい車にしたくなりますよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、日本では未発売のモデルですが、アメリカや中国で販売されている日産の中型セダンSENTRA(セントラ)/SYLPHY(シルフィ)をご紹介しました。
現在日本で販売されているシルフィからはデザインがガラッと変わり、ワイドアンドローのスポーティなデザインになっていることに驚かれた方も多いのではないでしょうか。
インテリアも高級感のあるデザインとなり、所有する喜びを感じられそうな車です。
これなら是非とも日本で販売してもらいたいものですが、残念ながら今のところ日本での販売はないようです。
是非気になる方は詳しくチェックしてみて下さい。