世界の様々な車を紹介するコーナー。
今日は、ルノー メガーヌ(Renault MEGANE)を紹介します。
基本情報
ルノー メガーヌ(Renault MEGANE)は、フランスの自動車メーカーのルノーが主に、欧州、中東、日本で発売しているミッドサイズハッチバックです。
現在のモデルがメガーヌとしては4代目となります。
初代メガーヌは、1995年より製造・販売されました。
当時は、1988年から1995年まで販売されていた「ルノー19」の後継車として開発され、1995年のフランクフルトモーターショーでデビューしました。
「メガーヌ」の車名は1988年に発表されたコンセプトカーから流用されています。
また、2代目からはルノー・スポールが開発を手掛ける高性能版のR.S.が追加され、モータースポーツとの繋がりを強くイメージさせるシリーズとなりました。
特に日本ではR.S.の人気が高いのも特徴です。
4代目となる現行モデルは、2015年9月のフランクフルト・モーターショーにて5ドアハッチバックが正式発表されました。
翌2016年3月のジュネーブ・モーターショーにてエステート版である「グランツアー」を発表。
日本での発売は2017年11月9日でした。
プラットフォームには、日産とルノーが共同開発したCMF-CDを採用しています。
スペック
パワートレイン
ルノー メガーヌ(Renault MEGANE)のパワートレインは、ガソリンエンジンのみの設定で、1.6LのGTと1.8LのルノースポールR.Sが選べます。
駆動方式は前輪駆動(FF)のみ。
エンジンに組み合わされるトランスミッションは、1.6L GTは7速AT、1.8L R.S.は6速ATと6速MTです。
1.6Lガソリンエンジン
1.6Lガソリンエンジンは、直列4気筒 16バルブ直噴ターボエンジンです。
最大トルクは280Nm、最高出力は205ps(151kW)。
このエンジンに組み合わされるトランスミッションは、7速のデュアルクラッチトランスミッションです。
このトランスミッションは、小型化と大トルクへの対応がより可能になる湿式多板クラッチを採用し、特に発進・微速時や前進と後退を繰り返す場合に変速ショックが少なく、耐久性の向上も期待できるといいます。
また、マニュアルモードを備えているので、パドルシフトの操作により、素早いシフトチェンジが実現できます。
1.8Lガソリンエンジン
1.8Lガソリンエンジンは、直列4気筒16 バルブ直噴ターボエンジンです。
最大トルクはメガーヌR.S.では、390Nm。
メガーヌR.S.トロフィーでは、420Nm。
最高出力はメガーヌR.S.では、279ps(205kW)。
メガーヌR.S.トロフィーでは、300ps(221kW)です。
このエンジンパフォーマンスによって、0-100km/h発進加速が、メガーヌR.S.は5.8 秒で、メガーヌR.S.トロフィーは5.7 秒を実現しています。
車両サイズ
ルノー メガーヌ(Renault MEGANE)の車両サイズは、全長:4,395mm(R.S.は4,410mm)、全幅:1,815mm(R.S.は1,875mm)、全高:1,435mm、ホイールベース:2670mm。
いわゆるCセグメントと呼ばれるサイズです。
マツダ3の車両サイズが、全長:4,460mm、全幅:1,795mm、全高:1,440mm、ホイールベース:2725mmなので、マツダ3とだいたい同じくらいのサイズ感です。
車両重量は、1,430〜1,480kg。
最小回転半径は、5.2mです。
サスペンション
ルノー メガーヌ(Renault MEGANE)のサスペンション形式は、フロントがマクファーソンストラット式で、リアがトーションビーム式です。
タイヤサイズは、GTが225/40R18。
R.S.は245/35R19です。
燃費
ルノー メガーヌ(Renault MEGANE)の燃費は、なぜかGTはカタログにも燃費の記載がないのですが、欧州のカタログを参考にすると、20km/Lほど。
一方、R.S.は、JC08モードで13.3km/L、R.S.トロフィーのATはWLTCモードで12.4km/L、R.S.トロフィーのMTは13.4km/Lです。
トヨタ カローラスポーツ(COROLLA SPORT)の2WD CVTの燃費がWLTCモードで16.4km/Lなので、メガーヌGTはそれよりも若干良いか同じくらいですね。
価格
ルノー メガーヌ(Renault MEGANE)の価格は、GTが3,462,000円〜3,666,000円。
R.S.が4,481,000円〜4,990,000円です。
マツダ3(ガソリン車)の価格が2,181,000円〜2,719,200円で、トヨタ カローラスポーツ(COROLLA SPORT)の価格がガソリン車の場合2,169,200円〜2,747,800円なので、GTの価格はマツダ3やトヨタ カローラよりも大体100〜130万円くらい高いようです。
また、GTとR.S.の価格差はさらに100〜130万円ありますね。
特徴
ルノー メガーヌ(Renault MEGANE)の特徴をいくつか順番に見ていきましょう。
4コントロール(4輪操舵システム)
ルノー メガーヌには、前輪と同じように、後輪を転舵させるシステムが搭載されています。
時速約60km以上の高速走行(スポーツモードでは時速約80km以上の走行時)では、後輪は前輪と同一方向に向けられ、ドライバーの意思に沿った理想的なコーナリングを実現します。
一方で、時速約60km未満の低速走行(スポーツモードでは時速約80km未満の走行時)では、4コントロールシステムは後輪を前輪とは逆の方向に向け、コーナリングをサポートします。
これによって、駐車時やUターンなどの取り回しがしやすくなるといいます。
この4コントロールシステムに対して、モータージャーナリストの山田弘樹氏は、webCGの中でこのように表現しています。
「リアがトーアウトするというより、フロントが入っていく」フィーリングは見事である。
このハンドリングは、クルマ好きなら一度は味わってみる価値がある。
私もこの4コントロールは体感してみたことがあるのですが、コーナーでいきなりガクッと曲がる感じに慣れずに、最初は正直違和感しか感じませんでした。
ただ、webCGで山田弘樹氏が語るように、「攻略するドライビングの面白さ」だったり「ドライバーはその制御を肌でも頭でも感じ取ることができる。そしてこれを見越して運転するようになるのである。」ということを慣れてくるとだんだんと感じてくるのかもしれないですね。
世界最速のFF車
ルノー メガーヌR.S トロフィRは、ドイツ・ニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)において、前輪駆動の市販車で最速となるラップタイム、『7分40秒1』を記録した、2020年現在世界最速のFF車です。
これまで、ホンダ シビック タイプRが記録を握っていましたが、2019年にシビック タイプRの『7分43秒8』という記録を3秒以上も更新しました。
そもそも、メガーヌR.S.のニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)への挑戦は10年以上前から始まっています。
最初に挑んだのは、2008年、メガーヌR.S. R26Rで、その時のタイムは『8分17秒』でした。
その後、2011年には、2代目メガーヌR.S. トロフィーで『8分7秒97』を記録。
2014年には、3代目メガーヌR.S. トロフィーで『7分54秒36』を記録し、初の8分切りを果たしました。
そして、現行の4代目メガーヌR.S.トロフィRで、『7分43秒8』を記録し、世界最速FF車の称号を得ています。
このメガーヌR.S.トロフィRは、2019年末から台数限定で発売が予定されているようです。
まとめ
世界最速のFF車という肩書きを持った車だけに、走りにこだわる方には、うってつけの車だと思います。
R.S.はなかなか値が張りますが、GTでも当然ルノースポールの要素は注入されているので、私個人的には、GTでも十分に走りを楽しめるのではないかなと思っています。
また、4コントロールといったユニークな技術と、そのデザインもフランスメーカーならではのものになっているので、人とはちょっと違う車に乗りたいと思う方にも、オススメしたいですね。
気になる方は、是非チェックしてみて下さい。