世界の様々な車を紹介するコーナー。
今日は、トヨタのエスクァイアを紹介します。
基本情報
エスクァイアは、日本で製造・販売されている5ナンバーサイズのミニバンです。
現行モデルがエスクァイアとしては初代で、2014年10月に発売されました。
同じく5ナンバーサイズのミニバン「ノア/ヴォクシー」をベースに、「上質感」と「高級感」を持たせたモデルです。
そのため、廉価グレードの設定は無く、エクステリアにはメッキやステンレスの加飾が多く施されており、インテリアには合成皮革が多く用いられています。
さらに、全グレードアルミホイールの設定。
中身は「ノア/ヴォクシー」と何も変わりは無いですが、エクステリアとインテリアの違いによって、価格は「ノア/ヴォクシー」よりも高めの設定となっています。
スペック
パワートレイン
トヨタ エスクァイアのパワートレインは、ヴォクシーと全く同じで、ガソリン車とハイブリッド車が選べます。
また、ガソリン車は2WDと4WD、7人乗りと8人乗りがそれぞれ選べます。
ハイブリッド車は2WD仕様のみ、7人乗りのみの設定です。
ガソリン車
ガソリン車のエンジンは、2.0L直列4気筒エンジンです。
エンジン型式は、3ZR-FAE。
ウィッシュやアイシス、3代目ハリアーに搭載されているエンジンと同じですね。
最大トルクは193Nm、最高出力は112kW。
組み合わされるトランスミッションはCVTです。
ハイブリッド車
ハイブリッド車のエンジンは、1.8L直列4気筒エンジンです。
エンジン型式は、2ZR-FXE。
C-HRハイブリッドやカローラハイブリッドに搭載されているエンジンと同じですね。
最大トルクは142Nm、最高出力は73kW。
なお、組み合わされるモーターは、型式は5JM。
最大トルクは207Nm、最高出力は60kWです。
また、駆動用のバッテリーは、 ニッケル水素電池で容量は6.5Ah。
フロント席の下に配置されています。
車両サイズ
トヨタ エスクァイアの車両サイズは、全長:4,695mm、全幅:1,695mm、全高:1,825mm、ホイールベース:2,850mmです。
日産セレナの車両サイズは、全長:4,685mm、全幅:1,695mm、全高:1,875mm、ホイールベース:2,860mmなので、全長、全幅共に、エスクァイアはセレナとほとんど同じ大きさですね。
当然ヴォクシーとは、ホイールベースは全く同じですが、エクステリアデザインの違いにより、全長と全幅が若干小さくなっています。
最低地上高は、160mm。
車両重量は、ガソリンが1,570kg。
ハイブリッド車は1,620kgです。
シャシー
トヨタ エスクァイアのサスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式。
リアは、2WD、4WD共にトーションビーム式です。
最小回転半径は、5.5m。
これもヴォクシーと同じですね。
燃費
トヨタ エスクァイアの燃費は、ガソリン車が、WLTCモードで13.6km/L。(JC08モードの記載は無し)
ハイブリッド車が、WLTCモードで19.8km/L。
JC08モードで22.8km/Lです。
競合の日産セレナe-POWERは、JC08モードで26.2km/Lなので、エスクァイア ハイブリッドの方がカタログ燃費上は、セレナe-POWERよりも燃費は劣りそうです。
価格
トヨタ エスクァイア価格は、ガソリン車が2,963,400〜3,328,600円。
ハイブリッド車は、3,379,200〜3,460,600円です。
ヴォクシーのガソリン車が2,813,800〜3,042,600円で、ハイブリッド車が3,347,300円〜なので、ヴォクシーとの価格差は15〜30万円です。
思ったよりも価格差は大きくないんですね。
特徴
続いて、トヨタ エスクァイアの特徴を順番に見ていきましょう。
高級感のあるエクステリアデザイン
エスクァイアは、基本的にヴォクシーをベースとした車ですが、エクステリアデザインが大きく異なり、ヴォクシーがスポーティーな印象となっているのに対して、エスクァイアは高級感のあるデザインとなっています。
中でも、フロントマスクは、縦に長いメッキパーツを這わせたフロントグリルが特徴的で、クラウンマジェスタに似た高級感のある印象を与えています。
また、ヘッドランプにもメッキがあしらわれ、ドアハンドルもメッキ加飾と、細部に渡って高級感を意識したデザインとなっていることがわかります。
ボディカラーは、ヴォクシーやノアには設定の無い「スパークリングブラックパールクリスタルシャイン」というカラーがエスクァイア専用色となっています。
ホイールは、全仕様アルミホイールとなっています。
ただ、ヴォクシーやノアには16インチの設定があるのですが、エスクァイアには15インチホイールの設定しかないところが残念です。
ヴォクシーと一線を画すインテリアデザイン
エスクァイアのインテリアテーマは、「大人たちの時間をさらに輝かせる、上質な空間」というだけあって、内装に合成皮革が随所に使われていて、ヴォクシーやノアとは一線を画す質感となっています。
また、ヴォクシーとインパネ部分を比較してみると、エスクァイアにはメッキ加飾が追加されていることがわかります。
これで印象も随分と変わりますね。
落ち着いたミニバンがいいという方にはちょうどいいのではないでしょうか。
なお、シートアレンジは、ヴォクシーと全く同じアレンジが可能となっています。
まとめ
エスクァイアは、ヴォクシーをベースとした5ナンバーサイズのミニバンでした。
エクステリアやインテリアは、メッキ加飾や合成皮革をふんだんに使って、高級な雰囲気を演出しています。
ただ、中身がヴォクシーと全く変わらずに、デザインだけを高級にして、それで販売価格を高く設定しているというのは、ちょっと微妙ですね。
まあ、そこに15〜30万円の価値があるという方もいるのかもしれませんが。
個人的には、せめてエスクァイアにしかないシステムや装備を追加して欲しいなと感じました。
元々は、販売チャンネル違いで、ヴォクシーはネッツ店、ノアはカローラ店、そしてエスクァイアはトヨペット店とトヨタ店で販売されていたので、これくらいの差別化となっているのかもしれませんが、全車種併売化という方針の下、全ての販売チャンネルでエスクァイアが扱われるようになると、ノア/ヴォクシーに対してあえてエスクァイアを選ぶ理由が弱い気がしてしまいます。
実際に、2020年7月の販売台数実績は、ヴォクシーが5316台、ノアが4067台なのに対して、エスクァイアは1909台とノア/ヴォクシーの半分以下となっています。
そのせいか、今のところ次期型では、エスクァイアは廃止となることが濃厚となっています。
ただ、少し落ち着いた大人っぽいミニバンがいいという方にはうってつけの車だと思います。
気になる方はチェックしてみて下さい。