今日は、今中国で最も売れている車をご紹介したいと思います。
世界一の自動車市場
中国は、2014年の自動車販売台数が2349万台となり、今や世界一の自動車市場です。
当然どのメーカーもそんな中国を最重要市場ととらえています。
例えば、VWは中国に8つもの生産・開発拠点を有し、GMは7、フォードは3つの拠点を有しています。 この拠点数を見ても、各社の中国への力の入れようがわかるのではないでしょうか。
また海外ブランドのみでなく、中国現地メーカーも多く存在し、今や100社以上もの自動車メーカーが乱立しています。
中国ではどんな車が売れているのか?
そんな中国では一体どんな車が売れているのでしょうか?
2014年の販売台数ランキングを見てみましょう。
この表は、車型毎のベスト10が記載されています(左からセダン、SUV、ミニバン)が、よく見てみると、全車型の中でダントツで1位の車があります。
上海通用五菱というメーカーが発売している「五菱宏光」という車です。
“三菱”ではなく、”五菱”です (笑)
なんと年間75万台も売り上げているんですよね。
2014年に日本で最も売れた車であるアクアの販売台数が約23万台ですから、これと比べても、五菱宏光という車の人気の凄さが良くわかると思います。
上海通用五菱とは!?
この五菱宏光を発売する上海通用五菱というメーカーは、国広西チワン族自治区柳州市に本拠を置く自動車メーカーで、ゼネラルモーターズ (GM) 、上海汽車 (SAIC) 、五菱集団(現:広西汽車集団)の3社による合弁会社として、2002年に設立されました。
ちなみに、読み方は「シャンチートンヨンウーリンきしゃ」。
この上海通用五菱は、中国国内では、五菱(ウーリン)ブランドでトラックやミニバン、宝駿(バオジュン)ブランドで乗用車の製造・販売を行っています。
その製品の一部は南米、中東、アフリカにも輸出され、それらの国では、シボレーブランドで販売されているようです。
なお、上汽通用五菱は2009年には年間販売台数100万台を突破した最初の中国メーカーとなり、2012年には4年連続となる年間100万台の販売を史上最速で達成したといいます。
(出処:ウィキペディア)
五菱宏光って一体どんな車!?
それでは、そんな上海通用五菱が発売している、今中国で最も人気のある車「五菱宏光」を見てみましょう。
一体どんな車なのでしょうか?
ボディサイズは全長4400mm×全幅1680mm×全高1770mmで、初代ノアと同じくらいの大きさです。
エンジンは、1.2L 71馬力と1.4L 102馬力の2タイプがあるようです。
ホイールサイズは、14インチ。
ナビの設定は無く、当然メーターもアナログです。
ドアのサイドポケットや、コンソール部分など、物置きスペースは充実してそうですが、内装は簡素な感じで商用車のようですね。
中国で求められる車の要素とは?
ここまでの情報では、きっと多くの人が、どうしてこれがヒット商品になっているんだろうと疑問を持ったのではないでしょうか。
実は、この五菱宏光は、約40万円から購入できるのです。
人気の秘密はここにあります。
この安さが売れている理由です。
この現在中国では、最低限の装備や性能はあった上で、とにかく安い車が求められているのです。
日本メーカーも今後中国で戦っていくためには、「五菱宏光」のように、必要最低限の装備をつけて価格をギリギリまで下げるといったような車の導入に力を入れるべきなのかもしれません。
ちなみに、五菱宏光は、日本はもちろん中国、アジアで絶大な人気を誇る漫画「頭文字D」が公式キャラクターに起用されていて、これによって中国での若者層からの人気が高まったともいわれています。