みなさんはこの画像が何かわかるでしょうか?
これは、ベントレー ベンテイガの内部構造を示したものです。
そこには、タイヤやホイール、エンジン、サスペンション、プロペラシャフトなど、車が走行する上で欠かすことのできない部品が並んでいますが、中でも最も重要な部品が赤い色の部品です。
車の隅々まで張り巡らされた部品
この赤い部品、よく見ると、太いものから細いものまであり、車のボディの隅々まで行き渡っています。
この赤色の部品が何かみなさんお分かりでしょうか。
実は、ここに示されている赤い線は、車に搭載された電気機器を動かすために必要な電線(ワイヤーハーネス)なのです。
まるで人間の血管のように細部まで伸びていることがわかります。
こうやって見ると、近年の車は機械ではなく、もはや電化製品と呼んでもよいかもしれません。
車に欠かせないワイヤーハーネスとは?
ワイヤーハーネスは、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線の束と、端子やコネクタで構成された集合部品です。
自動車の車内配線など、高性能かつ多機能な機械装置の内部に数多く張り巡らされており、ワイヤーハーネスは人間でいえばいわば神経や血管に相当する非常に重要な部品です。
(出処:工場タイムズ)
近年の車は、ほとんどのシステムが電気によって動いています。
特に最近では、シフトチェンジやステアリング操作までもが機械的な仕組みではなく、電気信号によって動かされている車も登場しています。
それらのシステムを動かすために電気を送るワイヤーハーネスは欠かせません。
また、各システムを動かすためには、コントローラーであったり、アクチュエーター、スイッチなどが必要となりますが、それらは、車の至る所に配置されています。
そのため、ワイヤーハーネスがここまで車のありとあらゆる場所まで伸びて配索される必要があるのです。
ハーネスの総重量は45kg以上!?
ベンテイガには、90以上ものコントロールシステムが搭載されており、それらを動かすために、1億以上もの配線が組まれているそうです。
そのハーネスの総重量は、なんと約45kg。
びっくりですよね。
普段私たちからは見えない部分に、こんなにもたくさんのワイヤーハーネスが隠れていたのです。
今後自動運転技術などを搭載する車が増えてくると思いますが、そのような車はより複雑なワイヤーハーネス配線となるのかもしれません。
今後、どれだけワイヤーハーネスを簡素化できるのか、システムをどれだけ統合できるのか、などが各自動車メーカーが取り組むべき課題となるのかもしれません。