ポルシェが採用するカスタムメイドバケットシートとは?

車の技術
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自分の好みの硬さや柔らかさで枕を選ぶ人はいると思いますが、車のシートを好みの硬さで選ぶ人はいないと思います。
ただ、今後は車のシートさえも、好みの硬さで選ぶ時代がやってくるようです。

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ポルシェが発表したカスタムメイドのバケットシート

先日、ポルシェが、新しいコンセプトのバケットシートを発表しました。

バケットシートとは、「バケツ形の座席」という意味で、左右の「へり」を高め、尻や肩を深く包むことで体の固定機能を高めた形状のものを指す。
座面が平面で構成されるベンチシートと対比される用語である。
運転席の腰掛としてのバケットシートの起源はF1用のレース車両に使用されたものが初めとされ、過大な横G等により運転姿勢を崩さない為に様々な試行が取り入れられる。
(出処:ウィキペディア)

その新しいコンセプトのバケットシートとは、カスタムメイドでユーザーが自分好みの硬さのシートを選べるというもの。

バケットシートの中に入っているクッション部分を3Dプリンターで一つ一つ作ることで、ユーザーの好みの硬さを実現できるようになったのだといいます。
将来的には、細かいチューニングができるようになるようですが、現時点では、シートの硬さを「ハード」「ミディアム」「ソフト」の3種類の中から選ぶことができます。

このカスタムメイドバケットシートは、2020年5月から、まずは911と718のシリーズに導入されるようです。

モータースポーツの常識を一般ユーザーに

このカスタムメイドバケットシートについて、ポルシェの製品開発部門のマイケル・ステイナー氏はこう語っています。

「シートは、乗員と車が常に接している唯一の部品です。
また、スポーティーな走りを実現するためには、シートでしっかりと乗員の身体を受け止めることが非常に重要となります。
そのため、レースの世界では昔からドライバーに合わせてシートをカスタマイズすることは当たり前のように行われてきました。
3Dプリンターでシートのボディーフォームを成形できるようになったことで、モータースポーツを超えて、一般ユーザーもその体験を得ることができるようになったのです。」

コーナリングGが4Gとかに至るモータースポーツと、通常街で乗るのとは、状況が全く異なると思いますが、どこまで一般ユーザーがその違いに気付けるかは、少し疑問ですよね。

ベースはポルシェ特有のシート構造

この新しいポルシェのシートは、元々ポルシェのバケットシートの特徴であった、サンドイッチ構造の軽量シートをベースとしています。

ポルシェのサンドイッチ構造軽量シートは、中心部分に発泡ポリプロピレン(EPP)で作られたベースがあり、その上に、通気性の良いポリウレタン層が取り付けられています。
その外側の表皮も通気性の良い穿孔パターン構造となっています。
そして、サイドの窓部分には、3Dプリンターで作られる結晶構造のネットが張られています。
これらによって、座り心地の良さを実現しながら、しっかりと身体を支えられる構造となったのです。

このポルシェの元々のサンドイッチ構造軽量シートの発泡ポリプロピレン部分とポリウレタン層部分を3Dプリンターで成形して、ユーザー好みの硬さに変更することで、ユーザーそれぞれの好みに合った、より快適なシートを作ることができるようになりました。

まさに、3Dプリンターが一般的な機械となったことで生まれた新アイテムですね。

ポルシェは2020年5月からこの新コンセプトシートを導入しますが、正式にオプション設定する前に、いくつかのプロトタイプを作成して、カスタマーからのフィードバックを得るといいます。
もしこの試みが上手くいけば、他の車種にも展開することを考えているとのこと。

また、現在はシートの硬さを3段階から選ぶことができるだけですが、将来的には、ユーザー一人一人に合った形状や硬さのシートを作れるように、このサービスを発展させるそうです。

近い将来、好みの枕を選ぶように、好みのシートを選ぶ時代がくるということですね。
まあ、どれだけのユーザーが欲しがるかは今のところよく分かりませんが。

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