世界の様々な車を紹介するコーナー。
今日は、三菱アウトランダーPHEVを紹介します。
基本情報
三菱アウトランダーPHEVは、アウトランダーのプラグインハイブリッド仕様の車です。
現行モデルは、アウトランダーとしては2代目ですが、プラグインハイブリッド仕様が採用されたのは、この車が初めて。
日本では2013年1月に発売されました。
プラグインハイブリッド車の発売はトヨタ・プリウスPHVに次いで日本で量産型2車種目となります。
国内の販売台数は、月間1,000台ほど。
ガソリン車は、月間200台ほどなので、国内では、圧倒的にプラグインハイブリッド車が売れているようです。
また、「2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤー」では、環境や安全その他の革新技術を持つクルマに与えられる「イノベーション部門賞」を受賞しています。
スペック
パワートレイン
三菱アウトランダーのパワートレインは3種類で、2.0L SOHCガソリンエンジンと2.4L SOHCガソリンエンジン、2.4L DOHCエンジン(プラグインハイブリッド用)の3種類です。
ここでは、プラグインハイブリッド車についてご紹介します。
ガソリン車についてはこちら。
三菱アウトランダーPHEVのプラグインハイブリッドシステムは、前後輪にそれぞれ高出力モーターを搭載して駆動する4WDです。
エンジン
エンジンは、2.4L直列4気筒DOHCエンジン(型式:4B12 MIVEC)。
最大トルクは199Nm、最高出力は94kWです。
ガソリン車にも2.4Lエンジン搭載モデルがありますが、こちらはプラグインハイブリッド専用のエンジンです。
モーター
フロントモーター(型式:S61)は、最大トルク137Nm、最高出力は60kW。
リアモーター(型式:Y61)は、最大トルク195Nm、最高出力は70kWです。
駆動用バッテリー
駆動用のバッテリーは、リチウムイオン電池で、車両の床下に搭載しています。
総電圧は300V、総電力量は13.8kWhです。
車両サイズ
三菱アウトランダーPHEVの車両サイズは、全長:4,695mm、全幅:1,800mm、全高:1,710mm、ホイールベース:2670mm。
ガソリン車とサイズは同じです。
ちなみに、日産エクストレイルの車両サイズは、全長:4,690mm、全幅:1,820mm、全高:1,740で、CR-Vが、全長:4,605mm、全幅:1,855mm、全高:1,680mm(2WD)、1,690mm(4WD)なので、ほとんどエクストレイルやCR-Vと同じですね。
車両重量は、1,860〜1,930kgです。
ガソリン車と比べると、300〜350kgほど重いですね。
最低地上高は190mmです。
また、最小回転半径は、5.3mです。
これらは、ガソリン車と同じですね。
サスペンション
サスペンションタイプは、フロントがマクファーソン・ストラット式。
リアがマルチリンク式です。
タイヤサイズは、225/55R18です。
燃費
三菱アウトランダーPHEVの燃費は、JC08モードで、18.6km/L。
WLTCモードで、16.4km/Lです。
ホンダCR-Vハイブリッドの燃費が、JC08モードで25.8km/L、WLTCモードで21.2m/L。
トヨタRAV4ハイブリッド(4WD)が、JC08モードで25.0km/L、WLTCモードで20.6m/Lなので、これらの車と比べると燃費はやや劣りますね。
価格
三菱アウトランダーPHEVの価格は、3,939,100円円〜5,294,300円です。
ガソリン車の価格が4WDの場合、2,940,840円〜3,356,100円なので、ガソリン車よりも100万円以上高いことになります。
ちなみに、トヨタRAV4ハイブリッドの価格が3,202,200円〜3,817,800円なので、RAV4よりも70〜140万円ほど高いですね。
特徴
三菱アウトランダーPHEVの特徴をいくつか順番に見ていきましょう。
国産車唯一の5人乗りプラグインハイブリッド車
三菱アウトランダーPHEVの特徴と言えば、国産車で唯一の5人乗りプラグインハイブリッド車ということです。
国産車のプラグインハイブリッドと言えば、トヨタ プリウスPHVがありますが、プリウスが5人乗りなのに対して、プリウスPHVは4人しか乗ることができません。
それを考えると、三菱アウトランダーPHEVは唯一の5人乗りプラグインハイブリッドモデルということになります。
ただ、三菱アウトランダーのガソリン車は、3列シートの7人乗り仕様があるのに対して、PHEVはリアフロアにDCDCコンバーターなどのシステムを搭載していることから、3列シート仕様はありません。
電気自動車のノウハウを入れたプラグインハイブリッドシステム
三菱アウトランダーは、フロントとリアにそれぞれ駆動用モーターを搭載し、バッテリーは床下に配置されています。
前輪はエンジンとモーターのハイブリッド、後輪はモーターのみで駆動。
この後輪は、電気自動車の「i-MiEV」と同様のシステムで、そこに新しくフロント部分にハイブリッド技術を追加したのが、アウトランダーPHEVと言えます。
もう少し詳しく、三菱アウトランダーPHEVのシステムを見てみましょう。
三菱アウトランダーPHEVのシステムは、エンジンとジェネレーター、フロントデフとフロントモーターがそれぞれ直結されており、エンジン&ジェネレーターとフロントデフ&フロントモーターは、クラッチで接続されています。
通常走行時は、モーターで駆動し、エンジンは完全に発電用として、その駆動力をジェネレーターに伝え、発電します。(バッテリー容量が十分にある場合は、エンジンは停止している。)
この時、クラッチは切り離されたままです。
一方で、急激な加速を求められたときや、高速走行を行う時は、クラッチが接続されて、エンジンのパワーを駆動輪へと伝えます。
非常にシンプルなシステムですが、エンジンの回転数をモーターと合わせる制御など、これまでに電気自動車を開発してきた三菱自動車だからこそ開発できたシステムといえそうです。
(参考:Car Watch)
バッテリーの電気が使える100V AC電源(1500W)
また、アウトランダーPHEVは、バッテリーの電気が使える100V AC電源がついています。
その最大出力は1500W。
よって、ホットプレートやドライヤーなどの消費電力の大きい電化製品もそのままコンセントに挿して家で使うのと同じような感覚で使うことができます。
キャンプの時には助かりますよね。
さらに、最近では、災害時にアウトランダーPHEVが活躍したというニュースもあります。
そういう意味でも、一家に一台あると助かる車ですね。
まとめ
三菱アウトランダーPHEVは、国産車として唯一の5人乗りのプラグインハイブリッド車ということもあり、他に無い特徴を多く持った車でした。
さらに、燃費が良いだけでなく、キャンプや災害時にも活躍してくれるので、ただの移動手段としての車という意味合いだけでなく、様々な使い方に対応できる車です。
少しだけ競合車と比べると価格は高いですが、それだけの価値があるのではないでしょうか。
気になる方はチェックしてみて下さい。