フィアット500(チンクエチェント)とはどんな車か?徹底分析してみた!

車分析
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世界の様々な車を紹介するコーナー。

今日は、フィアット500(チンクエチェント)を紹介します。

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基本情報

フィアット500(チンクエチェント)は、イタリアの自動車メーカー「FIAT(フィアット)」が製造・販売している4人乗りの小型自動車です。

現在のモデルが、フィアット500としては3代目。
「500」をイタリア語読みした「チンクエチェント」とも呼ばれています。

日本での発売は、2008年3月15日でしたが、それに先駆けてヨーロッパでは、2007年3月23日に発売されました。

そのユニークなデザインから世界的なヒット作となりました。
ヒット作がしばらくなく経営が思わしくなかったフィアットの業績回復に大きく寄与したといわれています。

なお、2つある生産拠点のうち9割以上を生産するポーランドティヒの工場では2013年4月(発売から5年9ヶ月)に生産台数100万台を達成しています。

また、2008年ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーと2009ワールド・カーデザイン・オブ・ザ・イヤーをそれぞれ受賞しました。

グレード

フィアット500(チンクエチェント)のグレードは、直列4気筒エンジンを搭載している「500 1.2 Pop」と直列2気筒インタークーラー付ターボエンジンを搭載している「500 TwinAir Pop」「500 TwinAir Lounge」の3種類。

そして、ソフトトップのカブリオレモデルのフィアット500Cには、直列4気筒エンジンを搭載している「500 1.2 Pop」と直列2気筒インタークーラー付ターボエンジンを搭載している「500 TwinAir Lounge」の2種類。

合計5種類のグレード展開となっています。

プラットフォーム

フィアット500(チンクエチェント)のプラットフォームはフォードと共同開発され、2代目フォード・Kaとそのプラットフォームを共用しています。

また、クロスオーバーモデル「フィアット パンダ」ともプラットフォームは共用となっており、これらの車は全て同じポーランド工場で生産されています。

フォードKa

フィアットパンダ

フィアット500(チンクエチェント)の歴代モデル

初代フィアット500

初代フィアット500は、1936年に発売されました。

当時は、2人乗りの超小型車で、その小柄なボディと小さなエンジンで機敏に走り回る様から、ハツカネズミを意味する「トポリーノ」の愛称で呼ばれました。
製造中止となる1955年までの間に60万台が生産され、ヒット商品となりました。

1953年にイタリアでのロケーションで製作されたアメリカ映画『ローマの休日』(ウィリアム・ワイラー監督)では、オードリー・ヘプバーン扮するヒロインの王女を撮影しようとするカメラマン(エディ・アルバート)の足車として前期型のトポリーノが登場しています。(出処:ウィキペディア)

なお、駆動方式はFR(フロントエンジン・リアドライブ)。
エンジンは、当時の上級車並みの569cc 水冷4気筒エンジンが搭載されました。

2代目フィアット500

2代目フィアット500は、1957年に発売されました。
正式名称は「FIAT NUOVA 500(新フィアット500)」。

メカニズム的には、初代フィアット500の直接的な後継モデルではなく、異なる設計コンセプトで新規開発されました。
RR(リアエンジン・リアドライブ)方式が採用され、完全な4人乗り乗用車となっています。

エンジンは、簡素でコンパクトなパワーユニットとして開発された479cc・15PSの空冷直列2気筒OHVが縦置で搭載されていました。

スペック

パワートレイン

フィアット500(チンクエチェント)のパワートレインは、直列4気筒 SOHC 8バルブエンジンと直列2気筒 8バルブ マルチエア
インタークーラー付ターボエンジンの2種類です。

トランスミッションは、ATモード付5速シーケンシャル(デュアロジック)。

直列4気筒エンジン

1.2L直列4気筒エンジン仕様のエンジンルーム

「500 1.2 Pop」というグレードに搭載されるエンジンは、1.2Lの自然吸気、直列4気筒直噴エンジンです。
エンジン型式は169A4。

最大トルクは102Nm。
最高出力は51kWです。

直列2気筒エンジン

0.9L直列2気筒エンジン仕様のエンジンルーム

「500 TwinAir Pop」と「500 TwinAir Lounge」の2つのグレードに搭載されるエンジンは、0.9Lの直列2気筒マルチエアインタークーラー付ターボエンジンです。
エンジン型式は312A2。

このエンジンに採用されているマルチエアとは、アルファロメオ『MiTo』に初めて搭載されたフィアットグループ独自の技術です。
吸気バルブをカムシャフトではなく、油圧ピストンで駆動することで、吸気バルブの開閉タイミングや量を自在にコントロールします。

これにインタークーラー付ターボを追加することで、小排気量で高トルク高出力を実現しました。
さらに、燃費も従来の1.4L車比で58%もの向上を実現しています。

最大トルクは145Nm。
最高出力は63kWです。

マルチエア

トランスミッション

フィアット500のトランスミッションは、デュアロジックと呼ばれる「オートモード付きシーケンシャルトランスミッション」です。
このデュアロジックは、ATとMTの機能を足し合わせたシステムであるのが特徴。

デュアロジックは、ベースはマニュアルトランスミッションなのですが、マニュアル車との違いはクラッチ操作が不要なことです。
そのため、AT限定免許でも運転できます。

デュアロジックは、CVTやATと違いトルクコンバーターを介さないため、それらのトランスミッションに対してエネルギーの伝達ロスが少なく、低燃費走行が可能となります。
ただ、その分、クリープが発生しないため、走り出しや車庫入れの際は、アクセルを踏み足す必要があります。
慣れないうちは、少し戸惑ってしまうかもしれませんね。

自動変速モードの「Auto」を選べば、自動でギアチェンジをしてくれますが、MT車のように手動変速を楽しみたい場合は、MTモードを選択することで、自分の好きなギアで走行することもできます。
その際、クラッチ操作は不要なので、ハンドル操作に集中できるのがメリットです。

車両サイズ

フィアット500(チンクエチェント)の車両サイズは、全長:3,570mm、全幅:1,625mm、全高:1,515mm、ホイールベース:2,300mmです。

トヨタ ヤリス(Yaris)の車両サイズが、全長:3,940mm、全幅:1,695mm、全高:1,500mm、ホイールベース:2,550mmなので、ヤリスよりもさらに小さい車ということになります。
フォルクスワーゲンのup!の車両サイズが、全長:3,610mm、全幅:1,650mm、全高:1,495mm、ホイールベース:2,420mmなので、サイズはup!と近いですね。

車両重量は、990〜1,040kgです。

シャシー

フィアット500(チンクエチェント)のサスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式。
リアはトーションビーム式です。

駆動方式は2WDのみ。
ブレーキは、フロントがディスクブレーキで、リアがドラムブレーキです。

最小回転半径は、4.7m。

タイヤサイズは、「500 1.2 Pop」と「500 TwinAir Pop」が175/65R14で、「500 TwinAir Lounge」 が185/55R15です。

燃費

フィアット500(チンクエチェント)の燃費は、直列4気筒エンジンの仕様がJC08モードで19.4km/L。
2気筒エンジンの仕様が24.0km/Lです。

ホンダ フィット(HONDA FIT)の燃費(JC08モード)が、ガソリン車2WDで22.2〜24.2km/Lなので、2気筒エンジンの場合は、ほぼフィットと同じ燃費ということになります。

価格

フィアット500(チンクエチェント)の価格は、2,000,000〜2,760,000円。
カブリオレモデルのフィアット500Cが、2,660,000〜2,950,000円です。

カラーバリエーション

フィアット500(チンクエチェント)ボディカラーは、全部で4種類。

カブリオレモデルのフィアット500Cのボディカラーは、全部で3種類ですが、ルーフの幌の色がアイボリーとレッドの2種類から選べます。

インテリアカラーは、フィアット500、500Cともにアイボリーの1種類です。

特徴

続いて、フィアット500(チンクエチェント)の特徴を見ていきましょう。

ユニークな限定モデル

フィアット500(チンクエチェント)の特徴は、ユニークな限定モデルを多く発売しているところです。
これまで日本でどのような限定モデルが発売されたのか見てみましょう。

ブルーヴォラーレ(2010年)

フィアットの国イタリアにちなんだ、サッカーイタリア代表と同じブルーヴォラーレ(イタリア語で「青空」の意味)色の限定モデル。
ハッチバックの500を100台とカブリオレの500Cを50台、合計150台の台数限定で販売されました。

POP BI(2011年)

日本での販売10,000台達成を記念して、日本限定モデルとして発売されました。
黄色と黒のツートーンのボディカラーが特徴です。
販売は300台の限定でした。

VESUVIO(2012年)

イタリア・ナポリのシンボルとされるヴェスヴィオ火山をモチーフにした特別限定車です。
こちらも日本限定で100台販売されました。

ジェラート(2014年)

ジェラートを片手にイタリアのバケーションを楽しむ光景をイメージしたという、バニライエローのボディーカラー。
また、インテリアは、アイボリー/チョコレート色のシートが採用されています。
ハッチバックの500を150台とカブリオレの500Cを80台、合計230台の台数限定で販売されました。

テレビアニメ「ハナヤマタ」エディション(2014年)

テレビアニメ「ハナヤマタ」とコラボレーションした「FIAT 500 TwinAir Pop Hanayamata Edition」。
わずか限定1台で販売されました。
「ハナヤマタ」の主要キャラクター 5人から、好みのキャラクターのモチーフを施した車両をオーダーすることが可能で、抽選での販売となったようです。

500 Pelle(2014年)

500 TwinAir Popをベースに、新デザインのアルミホイール、そしてイタリアのラグジュアリー家具ブランド「Poltrona Frau」の本革シートを装備しました。
なお、「Pelle」はイタリア語で「革」の意味。
ブラウンが50台、レッドとブラックが各100台の合計250台限定で発売されました。

FIAT 500S + BILSTEIN(2014年)


フィアット 500S+ビルシュタインは、ドイツのサスペンションメーカーであるビルシュタイン社の技術を足回りに組み込むことで、MT車である500Sの軽快かつスポーティーなドライビングをさらに向上させた限定車です。
ビルシュタイン社製ローダウン&車高調整式サスペンションキットをセットにして30台限定で販売されました。

CULT(2014年)

「FIAT 500 Cult(フィアット チンクエチェント カルト)」は、イタリア語で「崇拝・礼拝」を意味する「Cult」という名前の通り500の頂点ともいえる最上の高級感を表現した車です。
ボディカラーはカントリーポリタンイエロー。
さらに、500 TwinAir LOUNGEをベースに、16インチアルミホイール、TFTメータークラスター(エコインジゲーター付き)、ブラックアイライナー入りランプ、クロームミラーカバー、ブラックとアイボリーカラーのPoltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)本革シートを装備しています。

限定100台の販売となりました。

Giallo Vaniglia (2014年)

「500 TwinAir Pop(ツインエア ポップ)」をベースとした限定モデル。

ボディカラーには、バニライエローを採用し、特別装備として、ポルトローナ・フラウのブラウンシート、および15インチアロイホイールを設定していました。
なお、「Giallo Vaniglia(ジャッロ ヴァニリア)」はイタリア語で「バニライエロー」を意味します。

オンライン限定で70台のみの販売となりました。

Pecorella(2015年)

Pecorella(ペコレッタ)はイタリア語で「子羊」の意味。

2015年の干支である「羊」にちなんだモデルです。

500 TwinAir Popをベースに、限定車「500 Pelle」や「500 Giallo Vaniglia」と同様に「Poltrona Frau」のブラウンカラー本革シート、15インチアルミホイールを装備していました。
また、ボディカラーには、3層パールペイント仕上げとなる「アイスホワイト」を採用しています。

100台限定販売となりました。

Crema Caffe(2015年)

このクレマ・カフェは、カプチーノを思わせる「ニューエイジクリーム」色のボディーカラーが特徴で、さらに、サイドウインドウのボトムラインや、エキゾーストパイプフィニッシャー、バンパーなどがクローム仕上げでドレスアップされたモデルでした。

100台限定で販売されました。

GO&FUN(2015年)

イタリア生まれで天然素材でつくられたエナジードリンク「GO&FUN」とコラボレーションしたモデル。
オリジナルエンブレムをリアゲートと室内のセンターコンソールに装着したことでエネルギッシュな雰囲気を演出しました。

なお、このモデルは200台限定で販売されました。

Mimosa(2015年)

イタリアで女性の日(3月8日)に感謝を込めて贈られるミモザの花をイメージしたボディカラーを採用した限定車です。

ハッピーイエローのボディカラーとブラックのサイドミラーを装備しました。

300台限定で販売されました。

Essenza(2015年)

3月14日のバレンタインデーから販売開始された「Fiat 500S」の限定車「Fiat 500S Essenza(フィアット チンクエチェント エス  エッセンツァ)」。
グレーの特別色「グレイポンペイ」をまとい、内装にはイタリアのラグジュアリー家具ブランド「ポルトローナ・フラウ」のレザーシート(ブラック)を採用。
大人の男性が醸し出すクールな世界観をイメージしたようです。

限定100台の販売でした。

Mentorzata(2015年)

イタリアで広く親しまれている、ミントフレーバーを使った飲み物「メントルザータ」をイメージして仕立てたモデル。

限定240台の販売でした。

Perla(2015年)

ボディに、三層仕上げのパールペイントを施したことでひときわ純白に輝くボディを実現したモデル。
このボディカラーにちなんで、イタリア語で「パール(真珠)」を意味する「Perla」という名前がついたようです。

限定100台の販売でした。

Tetto Rosso(2015年)

イタリア語で「赤い屋根」 を意味する「Tetto Rosso(テットロッソ)」と名付けられたモデルです。
特徴は、その名の通りグレーのボディとレッドソフトトップのカラーコンビネーション。

限定50台の販売でした。

Gialla(2016年)

レモンのようなカントリーポリタンイエローのボディが特徴の限定車「ジャッラ」。

限定250台の販売でした。

Super Pop Topo(2016年)

Fiat 500の国内販売累計30,000台を記念する特別価格の限定モデルとして発売されました。
モデル名は、Fiat公式キャラクターコンテストで優勝し公式キャラクターに認定された「TOPO FIAT(トポ フィアット)」の誕生を記念して名付けられたようです。

限定300台の販売でした。

フィアット公式キャラクタ「トポフィアット」

Vintage(2016年)

ヴィンテージは、1957年デビューの2代目フィアット500をイメージした特別限定車です。
往年の500を思わせる淡いブルーのボディーカラーやホワイト仕上げのルーフおよびミラーカバー。
専用デザインのアロイホイールは、ヴィンテージタイプのFIATエンブレムとなっています。

限定120台の販売でした。

Super Pop Auguri!(20年)

クリスマスシーズンや一年を締めくくるめでたい季節にぴったりなレッドとホワイトのボディカラーが特徴です。
このボディカラーから、イタリア語で「おめでとう」を意味する言葉のAuguri(アウグーリ)がモデル名となったようです。

100台の限定販売でした。

Super Pop Amore(2016年)

2016年1月のマイナーチェンジ後に初設定された限定車です。
通常モデルには設定されないブルー ヴォラーレのボディカラーが選択できるほか、Bピラーに専用の「Amoreバッヂ」を装着しています。

「ブルー ヴォラーレ」「ボサノバ ホワイト」2つのボディカラーがあり、それぞれ100台ずつ、計200台の販売でした。

Scacco(2016年)

「チェック柄(スカッコ)」シートなど高級感のある装備が特徴の限定車です。
音響システムにフィアット500で初の「BeatsAudioプレミアムサウンドシステム」を搭載しています。

限定200台の販売でした。

Super Pop Ciao(2017年)

2017年2月に発売された特別モデル。
ベースモデルの「500/500C 1.2Pop」より約15万円安くしたのが特徴で、500のボサノバホワイトが100台、パソドブレレッドが50台、500Cのボサノバホワイトが50台の限定販売でした。
500Cに関しては、通常のベース車両で設定が無いベージュカラーのソフトトップが組み合わされていました。

alla Moda(2017年)

イタリア語で「おしゃれな」を意味する「アッラモーダ」な限定車です。
通常は設定のないボルドーカラーが選べる限定のカラーバリエーションで、100台限定で販売されました。

Decibel(2017年)

「500S デチベル」は、2気筒ならではの独特なエンジンフィールを持つTwinAirエンジンと、標準モデルには設定のない5速マニュアルトランスミッションを組み合わせた限定車です。
エクステリアは、テックハウス・グレーとクロスオーバー・ブラックの2色のダークなボディカラーを採用。

なお、車名の「デチベル」は、イタリア語で音圧レベルの単位「デシベル」を意味するもので、TwinAirエンジンとBeats Audioがそれぞれ独特のサウンドを奏でることに由来しているようです。

限定90台の販売でした。

Pura(2018年)

500プーラは清楚な雰囲気のなかにも温かみのあるアイボリーのボディカラーを基調に、きらびやかなエクステリアパーツが彩りを添えたモデルとなっています。
ボディカラーのアイボリーは500では世界初採用の色となり、親しみのある500のエクステリアに新鮮な表情をもたらしました。
さらにクローム仕上げのエクステリアミラーハウジングや15インチダイヤモンドフィニッシュアルミホイールがアクセントに。

なお500プーラは、バイキセノンヘッドライトやフルオートエアコン、アラーム式リアパーキングセンサーといった豊富な装備を持「Lounge」グレードをベースとし、これにさらに電動サンルーフやリアプライバシーガラスを特別装備することで、機能面も充実した1台となっています。

限定200台の販売でした。

Mirror(2018年)

500ミラーは1.2Popをベースに、イタリアブルーのボディカラーにクローム仕上げのパーツを付加することでエクステリアをきらびやかに仕立て上げた特別限定モデルです。
エクステリアには、通常のラインナップには無い特別色のボディカラーとなるイタリアブルーを採用し、それに加えて専用バッジ、専用15インチアルミホイール、クローム仕上げのエクステリアミラーハウジングをアクセントとしています。

限定100台の販売でした。

まとめ

見た目が可愛いだけでなく、パワートレインは、エンジン、トランスミッション共に、フィアットならではの独自技術を採用したユニークな車でした。

また、多くの限定モデルをこれまでに発売してきており、人と被らない車に乗りたいという方にとっては嬉しいのではないでしょうか。

これだけ毎回ユニークな限定車が発売されると、次の限定車はどんなものなのか楽しみになってしまいますよね。

是非気になる方はチェックしてみて下さい。

フィアット500(チンクエチェント)ホームページ

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